小児歯科

小児歯科について

保護者様へ

初めて歯科医院を訪れる小さいお子様は、何の抵抗もなく遊びに行くように診察室へ入ってくれます。
しかし、歯医者さんは怖い場所と一度でも記憶にあるお子様は待合室で保護者様から離れようとしません。
当クリニックでは、お子様の心を大切にとの想いで診療を行っております。
処置の前にトレーニングの時間を設け、お子様が自立してスムーズに処置に入れるように心掛けております。

そのため、通院回数は少し増えてしまうかもしれません。
ただ、トレーニングの経験を十分にすることでお子様自身が安心して処置を受け入れてくれるようになります。
そうすると、自然に歯磨きも好きになり虫歯予防にもつながっております。

なお、緊急性を要するお子様には必要に応じた適切な処置を行います。
保護者様のご理解とご協力をお願いします。

痛くない治療を心がけています

小児歯科ではお子様になるべく痛い思いをさせないことが重要と考えています。
お子様が歯の治療で痛い経験をすると生涯「歯医者嫌い」になってしまい、大人になってからも、歯や口に問題が起きた時に重症化するまで放置するようになってしまうからです。

小児歯科について

小児歯科では、赤ちゃんが生まれてから永久歯が生え揃うまでの、口腔内の治療や予防を行います。
虫歯や外傷の治療だけでなく、歯磨き指導・食事指導やフッ素塗布も行っています。
乳歯の虫歯でも「そのうち永久歯に生え変わるから」と治療しないでいると、永久歯に悪い影響を及ぼすことがありますので、放置せずに治療を受けるようにしてください。

乳歯の時期は、おやつや甘い飲み物の与え方、歯磨きの方法などに問題があると非常に虫歯になりやすいので、お母様お父様にも虫歯予防に関心を持って頂きたいと考えております。
また、問題の早期発見のため、幼稚園や学校での集団健診だけでなく、半年に1度は歯科医院で健診を受けて頂くことをお勧め致します。

子供の虫歯について

子供が虫歯になる原因とは

食事・おやつの時間が不規則（だらだら食い）

過度な砂糖摂取

ブラッシング不足

むし歯になる原因は１つではありません。
複数の原因が重なって歯の脱灰が起こります。脱灰が繰り返されることで歯に穴があいてしまいます。

なぜ乳歯は虫歯に
なりやすいのか？

• 乳歯は永久歯と比べると、エナメル質・
  象牙質が半分程度の厚さしかないため
• 哺乳瓶やお菓子を与えることが多いと、口の中に糖がある状態が長くなるため
• 乳歯は歯と歯の間にものが
  はさまりやすいため
• 乳歯は歯列がでこぼこしていて、
  うまく歯磨きしにくいため

むし歯にならない為に気をつける
ポイント（乳幼児）

寝る前や夜中の頻繁な授乳は虫歯になることもありますので気をつけましょう。
また、1歳半あたりから虫歯の感染が起きやすくなるので（感染の窓）、できれば1歳半までの断乳をおすすめします。

歯が生えそろってからも授乳を続ける際は、授乳後に歯をきちんと磨いてあげればリスクはかなり下がりますので、断乳が難しい場合は無理にやめなくても大丈夫です。 親子のかけがえのない時間を大切にして下さい。

虫歯はうつりますか？

『Window of infectivity：感染の窓』

虫歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌は、1歳半〜2歳半頃に感染が集中することが知られており、この時期を「感染の窓」と呼びます。ちょうど乳臼歯が生え始め、生えそろうまでの大切な時期にあたります。

歯が生え始めた時点から注意は必要ですが、特に重要なのが1歳半〜2歳半の期間です。なお、歯が生えていない時期のお口の中には、むし歯菌は存在しません。虫歯菌は、日常生活の中で主にご家族から感染します。
そのため、赤ちゃんを迎える前からご家族皆さまで適切な口腔ケアを行い、虫歯菌を減らしておくことで、赤ちゃんへの感染も減らせます。
その上で過度なスキンシップや食器・スプーンの共有を控えることで、更に感染予防につながります。

虫歯になりやすい・なりにくいは
ありますか？

虫歯菌（ミュータンスレンサ球菌）に感染するとむし歯のリスクは上がり、感染しなければかなり下がります。
しかし、虫歯菌がうつってしまったらもう防げない訳ではありませんし、その時期に感染を防げたら全く虫歯にならない訳でもありません。
大切なのは、規則正しい食生活や適切なセルフケアで口腔環境を整えることです。

虫歯の予防処置

歯医者で行うケア

定期健診

適切なセルフケアアドバイス

フッ素の塗布

シーラント処置

自宅で行うケア

適切な歯磨き＆フロス

ホームケア用フッ素の活用

キシリトールガムの活用

おやつの後にキシリトールガムを噛む（できればキシリトール100％ガム）

赤ちゃんの歯について

赤ちゃんの歯が生える時期

生後8ヶ月前後から、まず下の前歯（乳中切歯）から萌出が始まります。
歯が生えたその時点で虫歯になる可能性があるため、自宅ケアはもちろん、歯医者で行うケアも非常に重要です。

乳歯

乳中切歯（下：6～7ヶ月前後・上：10ヶ月前後）

乳側切歯（1歳前後）

第一乳臼歯（1歳半前後）

乳犬歯（2歳前頃）

第二乳臼歯（2歳半前後）

20本の乳歯が生えそろうのは、奥歯（第二乳臼歯）が生える2歳半頃が目安です。

※乳歯の生える時期と順番には個人差があり、１年程度の幅がありますので多少遅くてもしばらく経過を見守って下さい。
ただ、１歳を過ぎても１本も生えてこない場合は、念のため受診いただくことをお勧めします。

起こりうる歯の異常について

先天欠如

先天的に乳歯が作られなかった場合、乳歯の本数が少ないことがあります。
その場合、必ずしも永久歯も少ないとは限りません。必要に応じて永久歯に影響がないか調べることもあります。

過剰歯

先天的に正常の歯数よりも本数が多いことがあります。
上顎前歯に現れることが多いです。 歯列不正の原因となる場合は抜歯が必要なケースもあります。

癒合歯

2本以上の歯が互いに結合している状態で生えてくることがあります。乳歯に多くみられ、1～5％くらいのお子さまに見受けられます。

永久歯

中切歯（下：6歳前後・上：7歳前後）

第一大臼歯（6歳前後）

側切歯（下：7歳前後・上：8歳前後）

犬歯（10歳前後）

第一小臼歯（10歳前後）

第二小臼歯（11歳前後）

第二大臼歯（12歳前後）

赤ちゃんの歯磨きについて

歯磨きを始める時期

赤ちゃんに歯みがきを始める時期は、下の前歯が生えてくる生後6～7ヵ月くらいが目安です。
歯が1本でも生えてきたら、赤ちゃん用歯ブラシ等で磨いてあげましょう。

オススメの歯ブラシ

仕上げ磨き用の歯ブラシがオススメです。
歯ブラシのヘッドが小さく、ブラシがソフト毛でハンドルは大人が持ちやすい設計がされている物を選ぶと、磨きやすいです。

歯磨きを嫌がらせないコツ

初めての歯磨き　6か月～1歳頃

膝の上にゴロンと頭を乗せて、まずはお口の周りを優しく触れてみてください。少しずつ歯ブラシをお口に含ませて、歯ブラシの感覚に慣れてもらいましょう。最初から毎日やらなくちゃ！と思わなくて大丈夫です。

まだ歯が1～2本くらいしか生えていない時期は、まずは赤ちゃんが歯ブラシに慣れて楽しく歯磨きができるように進めてみて下さい。この時期はだ液の量も多く、歯の汚れを自然と洗い流してくれてむし歯になりにくい口内環境なので、しっかり磨くよりも歯磨きを好きになってもらえれば大成功です！

少しでも出来たらたくさん褒めてあげて下さい。
そして家族みんなで楽しく歯磨きをすると、お子さまも歯磨きに興味をもってくれやすくなります。そして、歯ブラシが持てるようになったら、子供用歯ブラシを持たせてあげて下さい。自分で磨こうとする意識を持つことはとても大切です。

2歳頃の歯磨き

そろそろ乳歯が生えそろう時期です。「感染の窓」の大事な時期なので、仕上げ磨きは出来るだけ丁寧にやりたいところです。しかし、イヤイヤ期真っ只中。一筋縄ではいかない日々かと思います。

そんな時はお子さまの好きな味の歯磨剤を2～3種類用意しておいて、「今日は○○味で歯磨きしようね！」など、楽しくできる工夫を取り入れてみて下さい。

また、しっかり仕上げ磨きをしないと！と思うからこそ力が入ってしまい、ゴシゴシ磨きになっていないか気を付けてみて下さい。
ゴシゴシ磨きになると歯肉が痛くて仕上げ磨きを嫌がるようになってしまいます。 目指すは軽い力でブラシを小さく動かすシャカシャカ磨きで、乳歯でむし歯になりやすい3ヵ所、上の前歯（特に真ん中の歯）、歯と歯の間（フロス）、奥歯の溝に重点をおいて磨いてあげて下さい。

6歳以降の歯磨き

第一大臼歯（６歳臼歯）が生え始め、前歯から順番に永久歯に生え変わりが始まる大事な時期です。
生え始めの永久歯はまだ歯質が弱く、むし歯になりやすい時期なので特に注意して仕上げ磨きを行って下さい。
またこの時期になると自分でも上手に磨けるようになってくるので、永久歯をむし歯から守れるように、正しい歯磨きを少しずつ学んでいくタイミングです。
“自分の歯を自分で守れる大人に”を目指して、歯科衛生士がお子さまを丁寧にサポートしていきます。
お子さまの仕上げ磨きは12歳頃まで（小学生の間）を目安にやっていただけると安心です。