ミュータンス菌や乳酸菌は虫歯になる原因菌として良く知られています。
口の中にはこれらの虫歯菌が住み着いています。特に食事やおやつの後は虫歯菌が大喜びで活躍し、酸をつくります。
しかし、人によって虫歯菌の酸を作る強さが違います。酸を作る強さが強い人ほど虫歯になりやすいと言うことです。虫歯菌が虫歯を作ろうとする力をアタックパワーと呼びます。
お口の中では食事のたびに脱灰と再石灰化が繰り返されています。脱灰する力が再石灰化の力より勝れば、歯は次第に脱灰が進み柔らかくなり、穴(う窩)が出来てしまいます。
では、アタックパワーが強くなる原因は何でしょうか。
主な原因としては、酸性の食事や飲み物を頻繁に摂取していることがあげられます。摂取する量よりは、摂取回数が重要です。例えば、ジュースやソーダを1日にグラス1杯飲んでも問題はありませんが、1日を通して56回ちびちびとのんでいると問題があります。
特に柑橘系のジュースは滴定酸度(酸性度、水素イオンの量、または水酸化ナトリウムなどの溶液で中和するのに必要な量)が高く、中和するのにはより多くの唾液が必要になります。
その他にも何らかの原因で唾液が出にくくなるとアタックパワーが強まります。例えば、薬の副作用で起こる事はよくあります。
歯肉が退縮して、歯の根の部位(歯根面)が露出している場合、アタックパワーが強いとその部位はさらに虫歯になりやすいです。なぜならば、歯の根の部位(歯根面)はセメント質と言う、エナメル質よりも柔らかい組織だからです。もともとは、歯肉に覆われて守られている場所ですが、強いブラッシング圧がかかったり、かみ合わせで負担がかかると歯肉退縮が起こり露出する事は多々あります。的確なブラッシングと、フッ素などでのケアがとても重要で効果的です。
人の唾液は、口の中の酸を中和し、虫歯菌から歯を守ろうとします。しかし唾液が酸を中和し、歯を守ろうとする力も人によって差があります。この酸を中和し、歯を守ろうとする力をディフェンスパワーと呼びます。
これは、率直に唾液の分泌量が少ないとディフェンスパワーは弱くなります。日頃から食べ物は良く噛んで唾液の分泌を促していくと効果的です。
また、ストレスやプレッシャーも過剰に感じていると、唾液の分泌が減少する原因になります。現代社会、多かれ少なかれ誰でもストレスを感じていると思います。なので、ストレスも上手に発散してため込まない事はとても大切ですね。
自分は虫歯になりやすい人かな?虫歯になりにくい人かな?と心配な方や気になっている方は、是非ご相談下さい。